会社を楽に傘下におさめる方法
超図解ビジネス 2001年からの会計入門 (超図解ビジネス会計シリーズ)
企業の「集中と選択」のための強力なツールとして期待されているのが「株式交換」・「株式移転」と「会社分割」です。p.148
企業が効率的な経営を行うためには、子会社を100%子会社化したほうがよい場合があります。
従来は「抜け殻・吸収合併方式」と呼ばれる方式を利用していました。
この方式は、
- 100%の子会社を新設してからその会社に営業譲渡する(旧会社は抜け殻)
- 営業譲渡された100%子会社を親会社が吸収合併する
という2段階を踏まなければいけませんでした。買収を行うには、煩雑な手続きを踏まなければいけませんでした。
そこで、新たに導入されたのが「株式交換」と「株式移転」でした。
株式交換と株式移転は簡略すると、
- 買収先の株をもらう代わりに自社の株を交付する。
- (100%子会社にすることが可能)
- 場合によっては完全親会社も誕生する
株式移転
- 買収先の株をもらう代わりに、新設会社の株を割り当てる。
- (完全親会社を設立可能)
- 場合によっては100%子会社も誕生する
特に株式交換と従来の方法を比べて優れた点を列挙します。
買収
- 少数株主の排除
- 税務上の扱い(一定の要件で課税繰り延べ)
- 買収資金が不要
営業譲渡
- 税務上の扱い
- 財産の移転手続き不要
- 買収資金が不要
合併
- 労働条件の統一
- 簿外負債の承継(負債を親会社に移行しなくてもよい)
- 事業切り離しコストが不要
以上が会社を吸収し楽に傘下に収めるために、新規に導入された方法です。
今回の新会計基準では、傘下におさめる方法だけでなく、会社から部門を逆に切り離すのも楽になりました。
それについては次の機会にしたいと思います。